相談して見よう。※[#終わり二重括弧、1−2−55]さう思つたので、「こりや下道! さあ、おれの衣嚢《かくし》へ入つてしまへ、そしてザポロージェ人のところへ案内するのだ!」
[#ここから4字下げ、折り返して5字下げ]
セーチ 哥薩克軍の本営で、主としてドニェープルの中流にある島嶼、ザポロージェに置かれてゐた。
[#ここで字下げ終わり]
すると悪魔のからだは見る見る痩せ細つて小さくなり、何の苦もなく彼の衣嚢《かくし》へ入つてしまつた。そしてワクーラは、前後を振りかへる暇もなく、いつの間にか或る大邸宅の前へ来てゐた。自分ながら何が何やら分らぬまま、彼は階段を登つて扉をあけたが、立派な飾りつけの部屋の中を覗くと、まぶしさに思はずちよつと後ずさりした。しかし現に今、絹張りの長椅子《デイヴァン》の上に、樹脂を塗つた長靴ばきで胡坐をかいて、俗にコレシュキといふ最も強烈な煙草をスパスパ喫つてゐるのが、ディカーニカを通つた件《くだ》んのザポロージェ人たちに違ひないのを見て、ほつと安心した。
「旦那がた……御機嫌よろしう! 何とまあ、不思議なところでお目にかかるではございませんか!」傍へ近よつて、地べ
前へ
次へ
全120ページ中90ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
平井 肇 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング