したら、悪魔と近づきになれるか、ひと通り話して頂けませんでせうか。」
「悪魔を肩にかついでゐながら、わざわざ遠路《とほみち》を行くにも当るまいて。」さう、依然として身の構へを変へようともしないで、パツュークが答へた。
 ワクーラは、その言葉の意味がそこに書いてでもあるやうに、まじまじと相手の顔を見つめた。※[#始め二重括弧、1−2−54]この人の言ふのは、いつたいどういふことなんだらう?※[#終わり二重括弧、1−2−55]彼の顔には、さういふ無言の疑惑が現はれて、その口は、第一番に発せられる相手の言葉を、団子かなんぞのやうに、呑みこまうとでもするやうに、ぽかんと半びらきになつてゐた。
 しかしパツュークは黙りこくつてゐた。
 その時ワクーラは、パツュークの前にはもう、団子汁《ガルーシュキ》も桶も無くなつて、そのかはりに、床に二つの木鉢が並んでゐるのに気がついた。その一つには肉入団子《ワレーニキ》が盛られて、もう一つの方には凝乳《スメターナ》が湛へてあつた。彼の眼と心とは期せずしてその食物の上に集中された。※[#始め二重括弧、1−2−54]見てゐてやらう※[#終わり二重括弧、1−2−55
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