聞くと、長いあひだ身動きもせずにすくんでゐた悪魔は、嬉しさのあまり袋の中でこをどりをした。しかし鍛冶屋は、どうかしたはずみに自分の手が袋にひつかかつてひとりでに動いたのだと思つて、頑丈な拳で袋を叩きつけてから、肩の上で一つゆすぶると、プザートゥイ・パツュークの住ひをさして歩き出した。
このプザートゥイ・パツュークといふ男は、かつてザポロージェにゐたといふことは確かだが、そこから追放されたのか、それとも勝手に出て来たのか、その辺のことは誰も知らなかつた。彼はもうずつと以前から、さうだ、十年か十五年も前から、ディカーニカに住んでゐた。最初《はな》から彼は正真正銘のザポロージェ人らしい生活《くらし》を送つてゐた。つまり、何ひとつ仕事をするでもなく、一日の四分の三は寝て暮し、食物は草刈人足の六人前も平らげ、酒は一度にたつぷり五升樽の一樽くらゐはペロリと呑み乾した。尤もパツュークは背丈が短かかつた代りに、横へ随分ふとつてゐたから、それだけの物を摂りこむ余裕は十分にあつたわけだ。それから彼のはいてゐる寛袴《シャロワールイ》だが、その太いことといつたら、彼がどんな大股に歩いても足はまるで見えず、酒
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