、五色染の帯を取り出した。それらの品々をひとまとめにして、鞭を取り添へて、風呂敷づつみにすると、真直にチューブの家をさして出かけて行つた。
 チューブは、鍛冶屋が自分の家へやつて来た時にはびつくりして眼を瞠つたが、しかもその驚ろきは、鍛冶屋が甦がへつて来たことに対してなのか、それとも鍛冶屋がなんの憚る色もなく自分の許へやつて来たことに対してなのか、または彼がひどくめかしこんで、ザポロージェ人の服装などしてゐることに対してなのか、ちよつと見当がつかなかつた。しかし、ワクーラが風呂敷づつみを解いて、つひぞ村では見たこともないやうな真更《まつさら》な帽子と帯とを彼の前へ差し出し、彼の足もとにひれ伏して、嘆願するやうな声で喋り出した時には、更に驚ろいてしまつた。
「おとつつあん勘弁しておくれ! どうか怒らないでおくれ! さあ、ここに鞭があるだから、幾らでも心の済むだけ殴《ぶ》つておくれ。俺の方からかうして鞭を差し出すだよ。俺あ今はもう何もかも後悔してゐるだよ。さあ殴つておくれ。でも、腹だけは立てないでおくれ。お前さんは死んだ俺の親爺とは仲善しで、いつも招んだり招ばれたり、差しつ差されつの仲だつ
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