だの、鎌だの犁《すき》だのを鍛《う》ちをつたになあ! それに、ええ力持ぢやつた! ほんとに、※[#終わり二重括弧、1−2−55]と、思ひに沈みながら彼はつづけた。※[#始め二重括弧、1−2−54]あんな人間はこの村にやあ稀らしいて。なるほどさう言へば、おれはあの忌々しい袋の中に入つてゐながら、可哀さうに奴さん甚くふさぎこんでるなと思つたつけが。ほんに可哀さうな鍛冶屋ぢや! つい先刻《さつき》までゐたものが、もう居なくなつてしまつたのか!、[#「、」はママ]おれは、うちの牝馬の蹄鉄《かなぐつ》を打たせようと思つてゐただのに……。※[#終わり二重括弧、1−2−55]かうした基督教徒らしい思ひに心をふさがれながら、村長はそろそろと自分の住居の方へ歩き出した。
 同じやうな風説がオクサーナの耳に達した時、彼女ははつと胸を突かれた。彼女は、ペレペルチハが眼のあたり見たといふことだの、女房連の取沙汰には、大して信用を置かなかつた。彼女は鍛冶屋が自分で自分の霊魂を滅ぼすやうな不信心者でないことをよく知つてゐた。しかし、まつたく、二度と村へ帰らぬつもりで、彼がどこかへ行つてしまつたのだとしたら、どうし
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