、真実《まこと》のこと、妾は御身の*※[#始め二重括弧、1−2−54]旅団長《ブリガディール》※[#終わり二重括弧、1−2−55]には今なほ夢中なのぢや。それに御身の朗読はまことに見事ぢやから! それはさて」と、再びザポロージェ人の方を顧みて、女帝は言葉をつづけられた。「聞き及ぶところでは、汝《そち》たちセーチでは決して結婚をいたさぬとのことではないか。」
[#ここから4字下げ、折り返して5字下げ]
※[#始め二重括弧、1−2−54]旅団長《ブリガディール》※[#終わり二重括弧、1−2−55] フォンウィージンの代表作(前項参照)。
[#ここで字下げ終わり]
「どう仕りまして、陛下! 人間が女房《かかあ》なしで生きられぬことは、陛下も御承知ではござりませぬか。」と、先刻ワクーラと語り合つたザポロージェ人が答へた。それを聞くと鍛冶屋は、このザポロージェ人が正則な言葉を知つて居りながら、何故、女帝に向つて、わざと、普通に百姓言葉といはれてをる、最も粗野な物の言ひ方をするのだらうと、怪しんだ。※[#始め二重括弧、1−2−54]老獪《ずる》い連中だ!※[#終わり二重括弧、1−2−55]と心の中
前へ 次へ
全120ページ中104ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
平井 肇 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング