をはこぶ ゆれてゐる 紅《あか》と黄金《こがね》の薔薇の花。
22[#「22」は縦中横]
朝な朝な ふしぎなねむりをつくる わすられた耳朶色《みみたぶいろ》のばらのはな。
23[#「23」は縦中横]
かなしみをつみかさねて みうごきもできない 影と影とのむらがる 瞳色《ひとみいろ》のばらのはな。
24[#「24」は縦中横]
ゆたゆたに にほひをたたへ 青春を羽ばたく 風のうへのばらのはな。
25[#「25」は縦中横]
陽《ひ》の色のふかまるなかに 突風のもえたつなかに なほあはあはと手をひらく薄月色《うすづきいろ》の薔薇の花。
26[#「26」は縦中横]
またたきのうちに 香《か》をこめて みちにちらばふ むなしい大輪のばらのはな。
27[#「27」は縦中横]
はだらの雪のやうに 傷心の夢に刻《きざ》まれた 類のない美貌のばらのはな。
28[#「28」は縦中横]
悔恨の虹におびえて ゆふべの星をのがれようとする 時をわすれた 内気な 内気なばらのはな。
29[#「29」は縦中横
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