をはこぶ ゆれてゐる 紅《あか》と黄金《こがね》の薔薇の花。

     22[#「22」は縦中横]

朝な朝な ふしぎなねむりをつくる わすられた耳朶色《みみたぶいろ》のばらのはな。

     23[#「23」は縦中横]

かなしみをつみかさねて みうごきもできない 影と影とのむらがる 瞳色《ひとみいろ》のばらのはな。

     24[#「24」は縦中横]

ゆたゆたに にほひをたたへ 青春を羽ばたく 風のうへのばらのはな。

     25[#「25」は縦中横]

陽《ひ》の色のふかまるなかに 突風のもえたつなかに なほあはあはと手をひらく薄月色《うすづきいろ》の薔薇の花。

     26[#「26」は縦中横]

またたきのうちに 香《か》をこめて みちにちらばふ むなしい大輪のばらのはな。

     27[#「27」は縦中横]

はだらの雪のやうに 傷心の夢に刻《きざ》まれた 類のない美貌のばらのはな。

     28[#「28」は縦中横]

悔恨の虹におびえて ゆふべの星をのがれようとする 時をわすれた 内気な 内気なばらのはな。

     29[#「29」は縦中横
前へ 次へ
全63ページ中61ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
大手 拓次 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング