つかないほど
のどかにしなしなとして
おもてをなでるもの、
手のなかをすべりでる
かよわいもの、
いそいそとして水にたはむれる風の舌、
みづいろであり、
みどりであり、
そらいろであり、
さうして 絶えることのない遥かな銀の色である。
わたしの身はうごく、
うつりゆくいろあひのなかに。
四月の日
日は照る、
日は照る、
四月の日はほのほのむれのやうに
はてしなく大空のむなしさのなかに
みなぎりあふれてゐます。
花は熱気にのぼせて、
うはごとを言ひます。
傘のやうに日のゆれる軟風《なんぷう》はたちはだかり、
とびあがる光の槍をむかへます。
日は照る、
日は照る、
あらあらしく紺青《こんじやう》の布をさいて、
らんまんと日は照りつづけます。
月に照らされる年齢
あめいろにいろどられた月光のふもとに
ことばをさしのべて空想の馬にさやぐものは、
わきたつ無数のともしびをてらして ひそみにかくれ、
闇のゆらめく舟をおさへて
ふくらむ心の花をゆたかにこぼさせる。
かはりゆき、うつりゆき、
つらなりゆき、
まことに ひそやかに 月のながれに生きる年頃。
月をあさる花
そ
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