けな心づくしは、
とほい鐘のねのやうにいつまでもわたしをなぐさめてくれるだらう。
焦心のながしめ
むらがりはあをいひかりをよび、
きえがてにゆれるほのほをうづめ、
しろく しろく あゆみゆくこのさびしさ。
みづのおもての花でもなく、
また こずゑのゆふぐれにかかる鳥のあしおとでもなく、
うつろから うつろへとはこばれる焦心《せうしん》のながしめ、
欝金香《うつこんかう》の花ちりちりと、
こころは 雪をいただき、
こころは みぞれになやみ、
こころは あけがたの細雨《ほそあめ》にまよふ。
四月の顔
ひかりはそのいろどりをのがれて、
あしおともかろく
かぎろひをうみつつ、
河のほとりにはねをのばす。
四月の顔はやはらかく、
またはぢらひのうちに溶《と》けながら
あらあらしくみだれて、
つぼみの花の裂《さ》けるおとをつらねてゆく。
こゑよ、
四月のあらあらしいこゑよ、
みだれても みだれても
やはらかいおまへの顔は
うすい絹のおもてにうつる青い蝶蝶の群れ咲《ざ》き
季節の色
たふれようとしてたふれない
ゆるやかに
葉と葉とのあひだをながれるもの、
もののみわけも
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