が、これは寧ろ最も近代性を帯びたスポーツぢやないか……」
竹下は有頂天になつて、
「堀口さん、賭けをしようぢやありませんか、――ね、武一、此方は例の土蔵の鍵を提供しようぜ。」
などゝ、まことしやかに云ひ出すと、堀口は瞬間ギヨツとして、
「土蔵《くら》の鍵はあるんですか?」
と問ひ返した。
「ありますよ、ちやんと僕が保管してゐますよ。」
滝本は皮肉を込めて答へた。――「太一郎君は塚本の借金証書を賭けたら何うかね。」
「ロメリアの競技の時も、やつぱり賭けが行はれます。」
此方は冗談半分だつたところにローラが生真面目な註をさしはさんだので、堀口と太一郎は赤くなつて、
「ぢや僕等は、この二頭の馬を賭けるとしよう。」
「負けたら、また買つて来るだけだ。」
と堀口が弱音を吹いたが、塚本の話と、土蔵の鍵のことは紛《ごま》かしてしまつた。鍵の存在の有無に関しては、信用してゐないらしく、此方側の提供物を追求して来たので、滝本は今度こそは真面目になつて、厩の横に避けて円陣をつくつた。
「この地方では現在でも物々交換の習慣が残つてゐるのか知ら?」
ローラは滝本に、そんな類ひの質問ばかり浴せるの
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