聞けば分りましょう、輪田夏子は大層眉の生えた所が長く、殆ど両の眉が真中で出合う程に成って居ました、其の眉の両端を私が短く縮めて秀子の眉にしたのです、疑わしくば篤と両方の顔形をお見較べなさい、眉に長短の別は有っても其の実は同じ眉です、次には額の生え際を御覧なさい、夏子のは真中へ垂れ下って来て居て、真に美人の相に叶って居ましたが、惜しいけれど是を私が切り捨てて左右へ多少の伸縮を施し、秀子の生え際にしたのです、秀子の生え際は唯尋常の恰好で別に美人の相という程でありませんが、茲が聊か私の不手際でしたけれど、尋常としては尚だ最上の生え際です、其の代り、イヤ生え際が聊か劣った代りに髪の色艶で立優らせてある積りです、秀子の髪の色を御覧なさい。全く昔の女神と同じ事です、夏子の重い色より幾倍も優って居ます、尤も夏子の丸顔には重い色が似合いますけれど、軽く行かねば神仙的の高尚な美しさがありません、夫ならば扨、髪の色は何うして変る、之は世間の婦人達が生涯気を揉んで研究して居る所です、仲々婦人達には分りません、けれど此のポール・レペルに取っては極く極く容易な問題です、髪の性質を変ずる丈でも近頃は毎日一人以上の
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