ニしろ此の死骸は水底で既に一週間ほど経た者ゆえ、斯うして置く訳に行かず直ぐに検屍を請いましたけれど、本統の取り調べは、既に日も暮れた事ですから明朝でなくては行われません、依って充分に防腐などの手数をも盡くして置きました」余「今夜誰にか番をさせましょうか」探偵「ハイ番は数人の巡査が交代して致します、私は唯明日の検屍の事を申して置きたいので」余「ハイ伺って置きましょう」探偵「明日の検屍には貴方の叔父さん、貴方、高輪田長三、根西夫妻、夫から松谷秀子と是だけが呼び出されますから其のお積りで」と特に秀子の名に力を籠めて云うは或いは到底秀子の罪は逃れぬから今から其の用心せよとの謎ではあるまいか、余は唯「左様ですか」と云って分れたが、此の死骸が何所まで人を驚かす事であろう、翌日の検屍には首のないよりも猶一層重大な事柄が発見された。
第三十九回 事件の眼目
明日の死骸検査で、何の様な事が分って来るか知らぬが、余は何うしても心に安んずる事が出来ぬ、此の夜は殆ど眠らずに考えた、けれども取り留めた思案は出ぬ。
全体誰がお浦を殺しただろう、秀子が殺したとすれば何も彼も明白だ、秀子は実際お浦を殺さねば成
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