る事さえ出来ますまい、何れ緩々《ゆるゆる》と叔父にも道さんにも此の秘密を話して驚かせて遣りましょう」と憎々しく云うた、秀子は必死の声で「ハイ話すに話されぬ様にして上げます」と云って、遽しく室の中を馳せ廻る様子だ、何の為かと思ったら全く室の出口出口の戸を悉く閉め切ってお浦を此の室より外へ出さぬ為であった、総ての戸に或いは錠を卸し或いは閂木《かんぬき》を施すなどの音が聞こえた、頓て秀子は「サア是で出たくとも出られません」お浦「貴女の出る時に一緒に出て行く迄の事です」秀子「一緒には出しません。此の秘密を見られた上は、貴女が決して口外せぬと云う誓いを立てねば」お浦「其の様な誓いが立てられますものか、私は口外せずには居られません」秀子は物凄いほど熱心な声と為って「貴女が口外なさらずとも、私は自分の密旨を果しさえすれば自分から誰にでも知らせます、それ迄の所は何の様な事をしてでも貴女の口を留めて了います、サア私が言葉を授けますから其の言葉通りにお誓い為さい、誓いなされなければ幾等破ろうとて破る事が出来ません、破れば生涯貴女の身に恐ろしい不幸が絶えません」秀子が何の様にして居るかは知らぬが、お浦は聊か
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