り、跳ね上って、その人波の上を起伏しながら前へ前へと突き進んだ。長羅の剣は馬の上で風車のように廻転した。腕が飛び、剣が飛んだ。ばたばたと人は倒れた。と、急に人波は彼の前で二つに割れた。
「卑弥呼。」長羅の馬は突進した。そのとき、片眼の武将を乗せた黒い一騎が砂地を蹴って彼の前へ馳けて来た。
「聞け、我は耶馬台の王の反絵《はんえ》である。」
長羅の馬は突き立った。そうして、反絵の馬を横に流すと、円を描いて担《かつ》がれた高座《たかざ》の上の卑弥呼の方へ突進した。
卑弥呼の高座は、彼の馬首を脱しながら反絵の後へ廻っていった。長羅は輝いた眼を卑弥呼に向けた。
「卑弥呼。」
彼は馬を蹴ろうとすると、再び反絵の馬は疾風のように馳《か》けて来た。と、長羅は突然馬首を返すと、反絵の馬に向って突撃した。二頭の馬は嘶《いなな》きながら突き立った。楯が空中へ跳ね上った。再び馬は頭を合せて落ち込んだ。と、反絵の剣は長羅の腹へ突き刺さった。同時に、長羅の剣は反絵の肩を斬り下げた。長羅の長躯は反絵の上に躍り上った。二人の身体は逆様《さかさま》に馬の上から墜落すると、抱き合ったまま砂地の上を転った。蹴り合い、
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