や彼らは敵の陣営へ殺倒しようとしたときに、新たなる耶馬台の軍が、奴国の密集団を中に挾んで芒の中から現れた。彼らは奴国の密集団と同じく鋒と剣を持って、喊声を上げつつ堂々と二方から押し寄せて来た。長羅は自国の軍が敵軍に包まれたのを見てとると、残った一団を引きつれて斜に火の消えた芒の原を突き破って現れた。耶馬台の軍は彼の新らしき一軍を見ると、奴国の密集団を包んだまま急に進行を停止した。長羅は自分の後ろに一団を張って敵の大団に対峙しながら動かなかった。その時、対岸の芒の中から、逃げ込んだ耶馬台の兵の一団が、再び勢いを盛り返して進んで来た。と、三方から包まれた奴国の密集団は渦巻《うずま》きながら、耶馬台の軍の右翼となった大団の中へ殺倒した。それと同時に、かの芒の中から押し返した敵の一団は、投げ槍を霜のように輝かせて動乱する奴軍の中へ突入した。忽《たちま》ち、動揺《どよ》めく人波の点々が、倒れ、跳ね、躍《おど》り、渦巻くそれらの頭上で無数の白い閃光《せんこう》が明滅した。と、やがて、その殺戮《さつりく》し合う人の団塊は叫喚しながら紅《くれない》となって、延び、縮み、揺れ合いつつ次第に小さく擦《す》
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