造って、静々と屍を踏みながら進んで来た。彼らの連なった楯の上からは油を滲《にじ》ませた茅花《つばな》の火口《ほぐち》が鋒尖につきささられて燃えていた。彼らは奴国の陣営真近く迫ったときに、各々その鋒尖の火口を芒の中へ投げ込んだ。奴国の兵は直ちに足で落ち来る火口を踏みつけた。しかし、彼らの頭の上からは、続いて無数の投げ槍と礫《つぶて》が落ちて来た。それに和して、耶馬台の軍の喊声《かんせい》が、地を踏み鳴らす跫音《あしおと》と一緒に湧き上った。消え残った火口《ほぐち》の焔《ほのお》は芒の原に燃え移った。奴国の陣営は竹の爆《はじ》ける爆音を交えて濛々《もうもう》と白い煙を空に巻き上げた。長羅は全軍を森の傍まで退却させた。そうして、兵を三団に分けると、最も精鋭な一団を自分と共に森へ残し、他の二団をして、立ち昇る白煙に隠れて川上と川下に別れさせた。分れた二団の軍兵は鋒と剣を持って、砂地の上の耶馬台の軍を両方から一時にどっと挾撃した。白煙の中へ矢を放っていた耶馬台の軍は散乱しながら対岸の陣地の中へ引き返した。奴国の二団は川の中央で一つに合すると、大集団となって逃げる敵軍の後から追撃した。そうして、今
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