》っている、私《わたし》はあなたに怒《おこ》られたって仕方《しかた》がないが今日《きょう》だけは赦《ゆる》して欲《ほ》しい。自分《じぶん》は心《こころ》から改心《かいしん》しているのだからそれだけでも受《う》け入《い》れて貰《もら》いたい、もしあなたが私《わたし》の改心《かいしん》も突《つ》き放《はな》すなら自分《じぶん》は堕落《だらく》するより道《みち》がない。今《いま》私《わたし》を助《たす》けてほしい、頼《たの》むという。私《わたし》は何《なに》をまだ怒《おこ》り続《つづ》けているだろうかと思《おも》いながら前《まえ》に立《た》って歩《ある》くのだが、急《きゅう》にリカ子《こ》の萎《しお》れているのが憐《あわ》れになって、もうよしもうよしといってしまうのだ。これだからいけないと思《おも》ってまた彼女《かのじょ》を苦《くる》しめた長《なが》い時間《じかん》を思《おも》い出《だ》しては腹《はら》を立《た》てても直《す》ぐ駄目《だめ》になって自分《じぶん》よりリカ子《こ》の方《ほう》が可哀相《かあいそう》になってくるのである。どうしようもないこの自分《じぶん》に気《き》がつくと今度《こ
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