。もう二月も末、恐らくこの儘《まま》に過ぎてしまふ事であらう。朝夕の惶しさがこの靜かな花に向ふ事を許さぬのである。
その三
『山櫻の歌』が出た。私にとつて第十四册目の歌集に當る。
此處にその十四册の名を出版した順序によつて擧げて見よう。
[#ここから7字下げ]
海の聲 (明治四十一年七月) 生命社
獨り歌へる (同 四十三年一月) 八少女會
別離 (同 年四月) 東雲堂
路上 (同 四十四年九月) 博信堂
死か藝術か (大正 元年九月) 東雲堂
みなかみ (同 二年九月) 籾山書店
秋風の歌 (同 三年四月) 新聲社
砂丘 (同 四年十月) 博信堂
朝の歌 (同 五年六月) 天弦堂
白梅集 (同 六年八月) 抒情詩社
寂しき樹木 (同 七年七月) 南光書院
溪谷集 (同 七年五月) 東雲堂
くろ土 (同 十年三月) 新潮社
山櫻の歌 (同 十二年五月) 新潮社
[#ここで字下げ終わり]
となるわけである。この間に『秋風の歌』
前へ
次へ
全22ページ中11ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
若山 牧水 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング