樹木とその葉
野蒜の花
若山牧水
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)宿醉《ふつかよひ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)下|褪《あ》せつ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)全國を※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]る
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)だん/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
その一
酒の話。
昨今私は毎晩三合づつの晩酌をとつてゐるが、どうかするとそれで足りぬ時がある。さればとて獨りで五合をすごすとなると翌朝まで持ち越す。
此頃だん/\獨酌を喜ぶ樣になつて、大勢と一緒に飮み度くない。つまり強ひられるがいやだからである。元來がいけるたちなので、強ひられゝばツイ手が出て一升なりその上なりの量を飮み納める事もその場では難事でない。たゞ、あとがいけない。此頃の宿醉《ふつかよひ》の氣持のわるさはこの一二年前まで知らなかつたことである。それだけ身體に
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