となるのだ。
「うわーい、いやになっちまうな」
岡部伍長は、線一本引いてない方眼紙の上をにらみつけながら、丸刈《まるがり》のあたまを、やけにガリガリとかいて、寝所《しんじょ》へ立った。
寝台へもぐりこんだが、もちろん岡部伍長は、ねむられなかった。
「ええと、どうしてやるかな。形は、どうも土龍式《もぐらしき》がいいと思うのだが……」
もぐらの鼻の代りに、円錐形《えんすいけい》の廻転錐《かいてんきり》をつかうのがいいと、はじめから思っていた。しかしそれをどうして廻すか。それを廻して、はたして土はけずれるか。けずれても前進するかどうか。それから第一、廻転錐を廻す動力をどうするのか。また、けずりとられた土をどうするのか。――岡部伍長の頭の中は、麻のようにみだれた。
みなさんだったら、このような問題を、どう片づけますか?
岡部伍長は、寝ぐるしい一夜を送った。
彼は、すこしも睡《ねむ》れなかった――と思っていた。
しかし、夜中に営内の巡視《じゅんし》が、彼の寝ている部屋へも廻ってきたとき、彼、岡部伍長は、たしかに眼をとじ、ごうごうといびきをかいて寝ていたそうである。
(この男は、えら
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