らいいだろうと思うがとか、そいつは、こんな恰好《かっこう》のものになるだろうとか、頭の中で、あそび半分に考えているときは、思いの外《ほか》、まとまった或る形が、うかびあがってくるものだが、さあ本当にこしらえてみよということになると、手をつけるのに、なかなか骨が折れる。
それはそのはずである。実際につくるとなると、車輪一つのことだって、正しい知識が入用《いりよう》になるのだ。錐《きり》をつかえばいいと分っていても、しからば、実際にはどんな形の錐にすればいいのか、その錐をうける土のかたさは、どんな抵抗を生《しょう》じるものであろうか。錐をうごかす動力は、どのくらい入用で、どんなエンジンを使えばいいか等々、かぞえ切れないほどの問題が出てくるのであった。
それだけではない。こっちをたてると、あっちがたたないことがまた問題となる。土をけずる錐は、大きいほどいいわけだが、錐を大きくすると、こんどは地下戦車自身が大きなものになって、地下の孔《あな》をくぐることがむずかしく、速度も出なければ、馬力ばかりたくさん要《い》って不経済のようにも思う。こっちをたてて有利にすれば、あっちがたたなくなって不利
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