の惨状《さんじょう》は眼もあてられません。崩れた岩石の間から、半分ばかり無惨《むざん》な胴体をはみ出している機関車、飛び散っている車輪、根まで露出《ろしゅつ》している大きな松の樹など、その惨状は筆にも紙にもつくせません。しかし幸《さいわ》いにも、一向あとから掘りかえした跡もありません。まず西口《にしぐち》は大丈夫だということがわかりました。
一行はなおも隧道の全体にわたって異状がないかどうかを調べるために、崩れた崖をよじのぼって、隧道の屋根にあたる山の上を綿密《めんみつ》に検《しら》べてゆくことになりました。
「どうやら大丈夫のようだね」
「すると化物は、皆この足の下に閉じこめられているというわけなんだな」
巡視隊の警官も、さすがに気味《きみ》わるがって、足音をしのばせて歩いていました。
「オヤッ」
「オヤ、これはどうだ」
「オヤオヤオヤオヤ」
安心しきっていた一行は、急に壁につきあたりでもしたかのように、立ち止《どま》りました。私も遅《おく》れ馳《ば》せに駈けつけてみましたが、鳴呼《ああ》これは一体どうしたというのでしょう。山の上に、まるで噴火口《ふんかこう》でもあるかのように
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