》が鳴った。さっきの呼笛を聞きつけて、警備班が出動をはじめたらしい。早くも奥の通路から、入りみだれた靴音が聞えてきた。こうなっては、わが川上機関大尉がいかに勇猛であるといっても、敵勢を押しかえすことは、まず困難ではないかと思われた。
壮図はついに空しく、わが大勇士川上機関大尉は飛行島の下甲板に散るのであろうか。
もしそんなことがあれば、いま組立鉄骨の間に病体をしばりつけて、ひたすら彼のかえりを待ちわびているはずの杉田二等水兵は、どうなるであろうか。
このときわが勇士の様子をみるなれば、彼は、猛牛のごとき敵の下士官とがっちり組みあったまま、一、二、三、四としずかに呼吸をかぞえていた。そして彼の眼は、ときどきちらりと足許に転がっている日本刀の方へうごいていた。
川上機関大尉は、いま何を考えているのであろうか。
飛行島戦隊は、この騒《さわぎ》をよそに、風雨荒れ狂う暗闇の南シナ海をついて、ぐんぐん北上してゆくのであった。
消えぬ怨
「リット少将!」
提督は、わが名を呼ばれてびっくりした。その声は少女の声であった。
「リット少将!」
また呼んだ。
リット少将は、その
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