じめるぞ。皆、こっちへよって来い」
「よし、集ったぞ」
「では、はじめる。飛行島戦隊の戦士たち、ばんざーい」
「ばんざーい。――この次は、飛行島をヨコハマの岸壁につけたときに、乾杯しようや」
「ああそれがいい。愉快愉快」
 士官酒場は、すっかりお祭騒になってしまった。


   濡れる二勇士


「おい杉田、どうだ、傷痕は痛むか」
 飛行島の縁の下ともいうべき組立鉄骨の間で、声がした。
 あたりは真暗で、人の輪郭も見えない。ひゅうひゅうと鉄骨の間をぬってくる烈風の響、ざざざーっと支柱を匐《は》いのぼる激浪の音に、応える人の声はもみ消されて聞えない。
「そんな弱気を出してはいかんじゃないか。いや、俺のことなぞ心配しないでいい」
「でありますが――でありますが、上官の足手まといになる杉田であります。杉田は早く死んでしまいたいのです。私が死ねば、上官は、それこそ何事にもわざわいされずに、思いきって奮闘できるのであります。ああ私は、上官に大迷惑をかけるために、ついてまいったようなものです。ざ、残念この上もありません」
 わーっと男泣きに泣く声が、風の間に聞えた。二人の会話は、ちょっと杜絶えたが
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