に海中にすべりこみ、この大危難から免れたのである。
川上、杉田の両勇士は、目ざす飛行島に果して無事泳ぎつくことが出来るだろうか。その夜の南シナ海は、風次第に吹きつのり、波浪は怒りはじめた。杉田二等水兵は、まだ十分に快復しきっていない。心配なことである。
ついに国交断絶!
五月十七日。――
この日こそ、千古にわたって記憶せらるべき重大な日となった。
東洋一帯を、有史以来の大戦雲が、その真黒な大翼の下につつんでしまった日だ。
飛行島の朝まだき、飛行甲板の上には、一台の軽旅客機が、今にも飛びだしそうな恰好で、しきりにプロペラーをまわし、エンジン試験をつづけていた。
この軽旅客機は、実は一昨夜この飛行島にやってきたのだ。飛行機が着島すると、夜だというのにリット提督はわざわざ出迎えた。飛行機の中からは、二人の巨漢が下りてきて、リット提督と、かわるがわるかたい握手をした。それ以来ずっと、この軽旅客機は、今にも飛びだしそうな恰好で、飛行甲板にいるのであった。
その二人の巨漢は、今なお鋼鉄の宮殿の中において、リット提督やその幕僚と向きあっている。誰の眼も、まるで兎の眼のよう
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