に赤い。ゆうべからこっち、徹夜でもって相談がすすめられているらしい。したがってその相談の重要性についても大方察しがつくであろう。
リット提督は、卓上にひろげた大きな世界地図を前にして、傲然《ごうぜん》と椅子の背にもたれている。左手にしっかりと愛用のパイプを握っているが、火はとくの昔に消えていた。よく見ると、広い額の上で、乱れた銀髪がぶるぶると小さく震えているのが分かるだろう。
「さあ、どうされるな。イエスか、ノウか、はっきり御返事がねがいたい」
提督は、そういって、二人の巨漢に火のような視線を送った。
この巨漢たちは誰であろう。
一人は、例のソ連の特命大使ハバノフ。もう一人の巨漢は、その服装で分かるようにソ連武官――くわしくいえば、極東赤旗戦線軍付のガーリン大将であった。
この両巨漢は、リット提督を前にして、しばらく小声で言葉のやりとりをしていたが、そのうちに両者の意見が一致したらしく、ガーリン大将は、すっくと席から立ち上った。
「わが極東赤旗戦線軍を代表して、本官は今英国全権リット提督閣下に回答するの光栄を有するものです。わが軍は、ここに貴提案を受諾し、只今より二十四時間後
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