いで杉田の枕辺にかけよった。
梨花はけなげにも、扉の外に立って、見張にあたる。窓硝子は、彼女があやまって壊したのではなく、これぞ川上機関大尉のいいつけによってわざと壊したのであった。
再会
「ああ上官!」
と杉田は胸がせまってあとはいえない。
川上機関大尉は部下の手をぐっと握って、
「杉田、よく辛抱していたな。それでこそ、真の日本男児だ。銃剣をとって、敵陣地におどりこむばかりが勇士ではない。報国の大事業のため、しのぶべからざる恥をしのび、苦痛にこらえているお前も、また立派な勇士だ。しかし梨花にきけば、お前はこのごろ食事もあまりとらぬということじゃないか。そんなことをして体を弱らせておいては、いざという時に思いきった働きができないではないか」
川上は部下を励ましたり叱ったりした。これにはさすがの杉田二等水兵も一言もない。
「川上機関大尉。私が悪うございました。これからは体を大切にいたします。そしてどんなことがあっても望を捨てず、ご奉公の折の来るのを待ちます。申しわけありませぬ」
病床から、杉田は川上機関大尉の手をおしいただいた。
「うむ、よくいった。ここは敵地だ。
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