ど、発電量は多くなるからして、したがってモーターはよく動く。そういう婦人が、令夫人を始め数人も常備しているときは、発電量は頗《すこぶ》る豊富であるからして、これを水汲みだけに使用して余りがある。そのときは、風呂を沸すのに利用すると、更に経済である。
婦人の座談会や演説会のときには、電灯をとぼすのに用いる。相当広い会場でも、十二分に照明が出来ること請合《うけあ》いである。
(本品は一|組《くみ》三円四十銭の見込。ゴムはときどき取り換えることを要する。ゴム一個二十銭なり。)
家ダニ発射器
本発明品は、家ダニを収容するポケット型の容器と、その一端《いったん》につけたる小型のスポイトよりなるものにして、スポイトを指先で押すときは、家ダニ容器の先端《せんたん》より、人知れず家ダニを発射し、相手にタカラしむることを得るものである。
本器の用途は、いろいろとあるも、その一二例を挙げてみると、極めて通俗な用い方としては、路傍《ろぼう》にてめぐりあった月賦《げっぷ》の洋服屋の襟首に発射して、グズグズ云い訳けを云って時間を伸ばしているうちに、かの家ダニはほどよく相手の頸筋《くびすじ》に喰いつくが
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