した電気にあたって死んでしまったのです。
その物音に、トーチカのおくから大ぜいの敵兵があらわれ、ピストルや、剣をもって高一にむかってきました。
「さあ、こうなればだれでもむかってこい」
高一は、せめてくる敵兵めがけて電気鳩をとびかからせ、かたっぱしからたおします。じつにものすごいいきおいです。さすがの敵兵も、手のくだしようがありません。
高一は、ころあいをみはからって、軍用犬にひとつの大切な命令をつたえました。軍用犬は、まっていましたとばかり、トーチカのおくめがけてかけだしました。そのいいつけはなんであったでしょうか。
高一と、敵兵とのたたかいは、つづけられましたが、電気鳩には、とてもかないません。そのうちに、犬がわんわんほえながらもどってきました。
「おお、わかったか。よしいこう。さあ、つれていっておくれ」
高一は電気鳩をつれて、軍用犬のうしろからかけだしました。
「わん、わん、わん」
軍用犬は、ひとつのとびらの前で、しきりにほえています。しかし、そのとびらには大きな錠《じょう》がおりていて、あけることができません。
「そうだ、これは電気鳩にたのもう」
高一は、電気鳩を
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