、ついに飛行機につきあたりました。ぱっと赤い火花がちったかと思うと、たちまち飛行機はほのおにつつまれて、ついらくしました。
「ああすてきだ。ばんざあい」
「ああよかったわ。電気鳩さん、ばんざあい」
 きょうだいはボートの中で、両手をあげてさけびました。
 わる者ののった飛行機は、海中におちて、そのまま波にのまれてみえなくなりました。
 そのとき、いつのまにあらわれたか、駆逐艦が一せき、波をけたてて二人のボートをたすけにきました。駆逐艦のうしろにはためく軍艦旗をみたとき、高一とミドリは手をとりあって、うちよろこびました。日本の軍艦旗です。
 駆逐艦からはボートがおろされ、水兵さんがそれをこいで、二人の方にちかづき、大きい駆逐艦の上へたすけあげてくれました。
 電気鳩は、もちろん、高一がきかいをまわして手もとへよびよせました。


   軍艦から大陸へ


 わが海軍の駆逐艦にすくいあげられたきょうだいは、たちまち艦内の人気者になりました。
 艦長吉田中佐は、きょうだいの冒険談をきいて、そのいさましさをほめました。そして、艦隊の方へ無線電信をうって、にくいスパイ国をこれからせめてもよいかと
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