わる者どもの話によって高一は、お父さまが、日本軍にとって、たいへんだいじな「地底戦車」のしごとをしていることをしりました。スパイ団長は、これからお父さまをひどい目にあわせ、日本軍に大きなそんをさせようとしているのです。
ミドリもかわいそうだが、お国のひみつをしられることは、なおさらこまったことです。
「どうしてこれを、日本軍や、お父さまにしらせたらいいだろう」
高一は、なんとかしていいちえをひねりだしたいものと考えながら、ふと、波うちぎわを見ると、一つの大きなたるがながれついています。そばによってみれば、ふしぎや中でことこと音がしています。なにが入っているのでしょう。
いたいた、電気鳩
無人島にながれついた高一少年のことは、後から、おなじ島へあがってきたスパイ団長や、その手下のわる者どもに、まだしれていないようでありました。しかし、そのうちにしれてしまうことでしょう。そのときはたいへんです。きっとつかまってひどい目にあうにきまっています。
高一が、波うちぎわで、ひとつの大きなたるを見つけたことは、まえにいいましたが、近づいて、たるのふたをすこしあけてのぞいてみる
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