、とつぜん計器に、大きな電流が流れたため、指針がつよく廻《まわ》って折れてしまったのであります。そういう出来事が、姫のお通りになる道で四、五回も起りました。全く、ふしぎなことでございますなあ」
 姫と計器の指針との間に何の関係があるのであろうか。


   監視哨《かんししょう》

 マイカ地下大要塞の、陸門は、サン市のデパート、サンサンと、地下鉄の入口との二つであった。また、その海門は、北方海岸一帯であった。それ以外に、このマイカ地下要塞の出入口は、どこにもないのであった。これくらい、堅固で安全な要塞は、他にない。なにしろキンギン国では、世界の富の十分の一にあたるという巨大な費用をかけて、この大要塞を作りあげたのであった。
「一体、敵は、どこまで攻めて来たのかね」
「もう十|哩《マイル》向うまで来ているそうだ。もの凄い戦闘部隊だということだぞ」
 マイカ要塞の監視哨が交代になる時間であった。
「この望遠鏡で見ても、なんにも見えないではないか」
「望遠鏡で見ても、見える道理がないよ。敵軍は、空中を飛んでいるのじゃないのだ」
「えっ、空襲じゃないのか」
「うむ、潜水艦隊らしい。太青洋の水
前へ 次へ
全75ページ中62ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング