面下を、まっしぐらに、こっちへ進んでくる様子だ」
「潜水艦なんぞ、おそれることはないじゃないか」
「それはそうだ。だが、そいつは、潜水艦にはちがいないが妙な形をしている奴ばかりで、姿を見たばかりで、気持がわるくなると、さっき、将校が、わが隊長に話をしていたぜ」
「で、こっちは、どうするのか。わがキンギン国の潜水艦隊は全滅だそうだし、他の水上艦隊は、みんなイネ州の海岸へいってしまったし、一体、どうするつもりかね」
「さあ、おいらは司令官じゃないから、どうするか、知らないや。多分、海中電気砲で、敵を撃退するのじゃないかなあ」
「ふん、海中電気砲か。あれは、このキンギン国軍の御自慢ものだが、こうなってみると、なんだか心細いなあ」
「くだらんことをいわないで、さあ、交代だ。あとを頼むよ」
監視哨の兵は、そこで部署を交代した。
空中方面には、更に敵の近づいた様子がないので、彼は、むしろ海中からの危機のことを心配し、空中のことを心配しないでいた。
ところが、それから一分間ほどたった後、この監視哨は、顔の色をかえて測距儀《そっきょぎ》にすがりつかねばならなかった。それは、とつぜん空中に、どこか
前へ
次へ
全75ページ中63ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング