等は、間もなく、艦首のところに、大きな穴が明いているのを発見した。
指揮をとっている士官が、兵員に命じて携帯用の探照灯を掲げて、大穴の中を照させた。そして自分は、怪潜水艦の内部を、のぞきこんだ。
「あっ、これは……」
驚きのこえが、士官の唇から、とびだした。
「どうしましたッ」
「冗談じゃない。これは、わが軍の潜水艦だ」
「えっ、それは、たいへん」
隊員は、急ぎ中へ入ってみたが、たしかに自国の潜水艦だった。しかもアカグマ国へ進発した大艦隊の中の一隻だった。中を調べてみると、乗組員は、全部死んでいた。一体、どうしたというのであろう。
艦長の手記が発見されて、この怪艦の行動が、はじめて明瞭《めいりょう》となった。
“わが艦隊は魔の海溝に於《おい》て突然敵の爆薬床に突入し、全滅せるものの如し、わが艦はひとり、可撓性《かとうせい》の合金鋼材にて艦体を製作しありしを以《もっ》て、比較的外傷を蒙《こうむ》ること少かりしも、爆発床へ突入と共に、大震動のため乗組員の半数を喪《うしな》い、あらゆる通信機は、能力を失いたり、仍《よ》りてわれは、僅《わずか》に残れる廻転式磁石を頼りとして、盲目状態に
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