波のうえに、恐るべき殺人電気を載せたのだ。それにちがいない。だから、女史からの無電をきいていた者は、長官をはじめとし、遠方で聞いていた幕僚の悉くが、その怪電気にあたって即死してしまったのだ」
「女史からの電波に、殺人電気を載せるなんて、アカグマ国の奴等《やつら》は、人か鬼かですねえ」
「人か鬼かといっても、今更《いまさら》仕方がない。敵となれば、已《や》むを得ないことだ。とにかく、今重態のリウサン参謀が、もし一命を助かれば、何もかも分るだろう」
只《ただ》一人の生残者リウサン参謀の快癒《かいゆ》を待つまでもなく、怪電気は、太青洋の空を越えて、一瞬間に、ラヂウム元帥と、十数名の優秀なる幕僚たちを、殺害してしまったのである。アカグマ国側の奇襲は大成功をおさめ、それに反してキンギン国側は、大犠牲を払ったのである。
快速潜水艦隊
キンギン国では、ラヂウム元帥に代り、アルゴン大将が、戦争次官のままで、アカグマ国攻略軍を指揮することとなった。彼は、まだ白面の青年だった。
このアルゴン大将は、どっちかといえば、幸運児でもあった。彼は、軍人であるうえに、科学者でもあった。彼は、当時大
前へ
次へ
全75ページ中45ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング