》が、じゃんじゃん鳴りだしたのは、それから更に、五分ほど経《へ》て後のことだった。ゴールド女史のラジオがぷつんと切れた。
 暫らくして扉が、荒々しく開かれ、そこへ飛びこんで来たのは数人の陸軍将校だった。
「あっ、たいへん。長官が死んでしまわれた」
「おお、やっぱり。いけなかったか」
 将校たちは、顔色をかえて、老元帥の死体を取り巻いた。
「ひどいことをやりやがったな。かねて、こういう危険があるかもしれないと思い、余《よ》は、注意を願うよう、上申しておいたのに」
「私も、たびたび長官に、申上げたんですがなあ」
 そういって、舌打ちをしたのは、長官の副官だった。
「もう、とりかえしがつかない。このうえは、弔合戦《とむらいがっせん》あるばかりだ。ゴールド大使には、しばらく秘密にして置け」
 暗涙をのんで、そういったのは、中で一番肩章の立派なアルゴン大将だった。彼は、数分前新任されたばかりの戦争次官だった。
「やっぱり、あれにやられたんですかなあ」
 と、別の将校が、次官を見上げながら、いった。
「そうだ。あれに違いない。つまり、アカグマ国軍の電波隊が、ゴールド女史の秘密無電を利用し、女史の電
前へ 次へ
全75ページ中44ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング