尉であったが、ロケットを試作し、大胆にもそれに乗り込むと月世界をめがけて地球を飛び出し、ついに、月のまわりを一周して、帰還したという大冒険の成功者だった。しかも彼は、独特の設計によって、その往復に五ヶ月を費したばかりであった。キンギン国の大統領は、彼アルゴン大尉を招き、その成功を絶讃《ぜっさん》すると共に一躍大将に昇任させた。「実力ある者は、どんな高い官職にものぼることが出来る。年齢や経歴などを問うものではない」というのが、キンギン国の歴代の大統領の信念であった。こうした例は、この国内にたいへん多く、そういういずれも若々しい能力者によって、この国の国防力や文化はこの二十年間に急速な発展を遂げ[#不自然な途切れと1行アキは、ママ]

 アルゴン大将は、月世界からの帰還後、しばらく空軍研究所長についていたが、ごく最近、戦争次官に新補されたのであった。とたんに、アカグマ国との間に捲き起ったこの大危機事件であった。彼は、たいへんなはりきり様で、大動員を下令するとともに、一夜のうちに、新しい作戦計画一千一号を書き上げてしまったのである。
 作戦計画一千一号!
 アルゴン大将は、即戦即決主義だった
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