、怪物隊のものであることは、はっきりわかるじゃないか」
「そうですかねえ。なぜですか、それは……」
「なぜって、あの旗も、蛍光を放っているじゃないか。怪物の身体も、あのとおり、蛍光を放っている。だから、あの旗は、あの怪物どもの旗だということが、すぐ諒解できるじゃないか」
「な、なるほど」
そういっているとき、中尉は、おどろきの声をあげた。
「あっ、怪物どもが、こっちへ向って歩きだした。おれたちを見つけたのかもしれんわい、早く、おれたちは死骸の真似《まね》をするんだ」
怪物隊は、何思ったかぞろぞろと、中尉の方へ歩いてくる。
女大使の身辺
第一岬要塞は、怪兵団のために占領せられてしまった!
その飛報は、スターベア大総督を、椅子のうえから飛びあがらせるほどひどく愕《おどろ》かせた。
大総督は、直ちにエレベーターを利用して、地下二〇〇|米《メートル》の本営第〇号室に入った。
そこは、ものすごいほど複雑な機械類にとり囲まれた密室だった。
潜水艦の司令塔を、もっと複雑に、そして五、六十倍も拡大したような部屋であった。電源もあれば、通信機も揃《そろ》っているし、敵弾の防禦壁
前へ
次へ
全75ページ中32ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング