るのでは困るですからなあ」
 両氏の話を聞いていると、あの『多腕人間方式』を兵器に利用する計画のようであった。そこで余は、両氏に説明を求めた。
「……ご他言は絶対なさらないように願いますが、実は、あれを作ったうえで新兵器に採用願う計画なのです。要するに、三本目の腕を、兵隊さんに取付けるのです。兵隊さんの腕が、三本にふえると、とても強くなりますよ。たとえば、射撃をする場合を例にとりますとね、一本の手は銃身を先の方で握り、他の一本の手は、遊底をうごかし、そしてもう一本の特許の腕は引金を引く。そうなると、小銃の射撃速度は、たいへん速くなります。また、白兵戦の場合でもそうです。敵と渡りあうとき、敵の二本腕に対して、こっちの二本の腕で五分五分の対抗ができます。そうして、敵の二本腕の活用を阻止しておき、こっちは特許の三本目の腕を、そろそろ繰り出して軍刀を引っこぬき、ぶすりと敵の背中を刺して倒します。そうなれば、三本腕の兵の方が、絶対優勢です。そうじゃありませんか」
「ああ、なるほどなるほど」
 それを聞くと、今度は余の方が、昂奮してきた。そうだ、始めから、そんな気がしていたが、 この『多腕人間方式
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