らえ」
「この照準具には輪がついていますね、どうするのですか」
「飛行機のスピードによって、ちがった輪の上に飛行機の胴をねらうのだ。飛行機はその中心の円に向うようにしろ。一番外の輪が、時速六百キロ、次は五百、次は四百という風に、中心へ来るほど、時速が少くなっているんだ。わかったろう」
「わかりませんなあ」
「早く、うて。間にあわないじゃないか。うて、うて何でもいいからうて。こっちがうたないと、敵は、こっちに弾丸がないのだと思って、安心して、第一番にねらわれるからなあ。うて、うてッ」
「困ったなあ。――パイ軍曹どの、ここへ来て、自分に代ってうってください」
「いやだ。おれは、おれの持ち場がある。ピート一等兵。はやく、うて!」
「いやになっちまうな。地底戦車兵に、飛行機のうえで射撃をしろなどと命令するのは、らんぼうな話だ。うてといわれれば、うつが、どんなことが起っても、自分はしらんぞ」
ピート一等兵は、泣き面をして、機銃の引金に指をかけた。
「ええと、あの日の丸をうつか。ええと、こうねらってと。それから、こういう風に引金をひいてと……」
たたたン、たたたたン。
機銃は呻《うな》りだし
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