なった。
日本機は、大たんな低空飛行をつづけてあっという間にとび去った。
氷上のアメリカ兵たちは、そのあとをおいかけて、ぽんぽん、たんたんと、小銃や機銃をうちかけた。日本機が、機銃一つ、うたないのに……。
そんなことで、アメリカ兵の弾丸が、日本機にとどくはずはなかった。
「ちく生《しょう》。日本機め、うまくにげやがった」
「もう一度、とんでこい。そのときは、おれが一発で、うちおとしてやる」
「だが、日本の飛行機は、なにをするつもりだったんだろうか」
「そりゃ、わかっているよ。わが南極派遣軍がなにをしているか、監視のためにやってきたんだ」
氷上では、アメリカ兵が、つよがりをいったり、いろいろ勝手なことをふいたりしている。
そのうちに、氷上にいたアメリカ機のエンジンが、はげしい音をたててプロペラをまわしはじめたと思うと、一機二機三機四機――五機の飛行機が、氷上を滑走して天空にまいあがった。
「ああ飛行隊の出動だ。これは、おもしろくなったぞ」
「いやあ、よせばいいのに。五機出発して、五機帰還せずなんてえのはいやだからね」
アメリカ基地を飛びだした機は、五機だった。いずれも四人のり
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