を、すれすれに通り過ぎた十数機の怪飛行機の翼には、日の丸のマークがついていたのであった。
「ああ、あれは、日本の飛行機じゃないか」
「日の丸のマークはついているが、まさか、この南極に、日本の飛行機がやってくるはずはない」
「でも、日の丸がついていれば日本機と思うほかないではないか」
将校の間には、はやくも、いいあらそいがおこった。
ところが、いったん、通りすぎた日本機は、すぐまた、引きかえしてきた。
「おい、高射砲はどうした」
「高射砲なんか、あるものか」
「じゃあ、高射機関銃もないのか」
「それは、どこかにあった」
「どこかにあったじゃ、間に合わない。総員機銃でも小銃でも持って、空をねらえ」
と、氷上では、たいへんなさわぎが、はじまった。なにしろ不意打《ふいうち》の空襲である。今もし、そこで、機上から機銃|掃射《そうしゃ》か、爆弾でもなげつけられれば、南極派遣軍は、たちまち全滅とならなければならなかった。
ゆだん大敵とはよくいった。
さあ、こうなっては、空中をねらったのがいいか。それとも氷のかげで、大の字なりになってたおれていたのがいいのか、わからない。さわぎは、一層大きく
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