った。
 そのうちに、一旦《いったん》とまっていた戦車の天井の、とーん、とーんという音が、また聞えだした。
 とーん、とーん。
「あ、また始まった」
 ととーん、とーん。
「おや、あれは、モールス符号だ」
 パイ軍曹が、急に目をかがやかせた。
「おや、開けろといっている。ふん、生存者はないか。誰か、上から呼んでいるんだ。おれたちは、助かるかもしれん」
 ピート一等兵は、おどりあがった。
「気をつけッ!」
 沖島速夫が、大きなこえで、どなった。
 二人のアメリカ兵はびっくりして、直立不動の姿勢をとった。
「だから、さっきから、僕は、この戦車の扉を開けろといっているんだ。さあ、早く開けろ」
「開けても、大丈夫かなあ」
「大丈夫だ。水の中じゃない。うそだと思ったら、中から信号をして、外には水があるかないか、たずねてみろ」
 沖島は、深度計をみたとき、この地底戦車のまわりが、どんな状態にあるかを、察していた。そこへ外から信号があった。彼は、そのとき、或る覚悟をした。そして二人のアメリカ兵が、鯨油のことで、いい争っている間に、持っていた機銃を、防寒服の中にしまいこんだり、戦車をうごかすのに、ぜひ
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