るのだからなあ。ほッほッほッ」
 黄いろい幽霊は、おかしさにたえられないという風に、大笑いをしたが、軍曹が、うしろをふりかえってみると、機銃のお尻のところが、掩蓋《えんがい》固定の締め金具の間に、うまく挟《はさ》まれていたのである。それでは、軍曹は、堅い鋼鉄と相撲をとるような、とても勝つ見込みのない力くらべを、していたことになる。
「ああッ」
 パイ軍曹は、あきれかえって、自分がいやになった。とたんに、からだが綿のように、ふにゃふにゃになったように感じた。
「ほッほッほッ。戦車隊員ともあろうものが、そんな不注意で、御用がつとまるとおもうか」
 黄いろい幽霊は、一本するどく、軍曹をきめつけたが、そのときどうしたわけか、地底戦車は、急にかたむきはじめたとおもう間もなく、あっといううちに、大きくでんぐりかえりをうち、とたんに車内の電灯が、すーっと消えてしまった。三人は、それぞれ、南瓜《かぼちゃ》のかごをひっくりかえしたように、ごろごろと投げだされた。さあ、一体、何事が起ったのであろう。


   三つの場合


 海底は、まっくらであった。
 だから、なにごとが起っても、皆目みえなかった。

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