みえなかったから、よかったものの、もし海底に、だれかすんでいる者があって、いま地底戦車が、断崖《だんがい》から、まっさかさまになって、墜落したそのものすごい光景をみていたとしたら、その人は、きっときもをつぶしたにちがいない。地底戦車は、石塊《せっかい》のように、ころげおちたのであった。あの高い断崖から下へおちて、戦車がこわれなかったことが、じつにふしぎというほかない。
 それもそのはず、ドイツとともに、世界に一、二を争う工業国アメリカが、そのすぐれた技術でつくりあげた極秘の地底戦車であった。その丈夫なことといったら、おそろしいほどだ。
 それはいいが、地底戦車の中の三人は、一体、どうなったであろうか。
 戦車の中は、電灯が消えて、それこそ、真の闇であった。
 なんの音も、きこえない。
 三人とも、あたまを、どこかかたいかべか、器械にぶっつけ、脳みそを出して、死んでしまったのであろうか。
 いや、そうでもなかった。三人の心臓は、いずれもかすかではあるが、それぞれうごいていたのである。が、三人とも、死骸のようになって、うごかない。自分がいま、どこにいるか、それさえ分らない。三人とも、気が
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