い幽霊は、おごそかに命令をした。
「は。もうこれ以上、出ませんです」
「うそをつけ」
 と、黄いろい幽霊は、言下に、パイ軍曹をしかりつけた。
「おい、スピードのことは、ちゃんとわかっているのだぞ。極秘《ごくひ》の陸軍試験月報によれば、地底戦車は、地中では最高三十五キロ、海底では、百五十キロまで出ると発表されているぞ」
「えっ、それまで知っているのですか。――では仕方がない。――ほら、スピード・メーターをみてください。いま、三十三キロまで出ていますよ。もうストップです」
「ごま化しては、いかん。それは地中スピードだ。しかるに、わが戦車は、いま海底を伝って前進しているのではないか。ほら、その計器をみろ。岩や土をそぎとる高速|穿孔《せんこう》車輪が、すこしもまわっていないではないか。ほら、こっちのスイッチが、ひらかれたままになっている。ごま化すのは、いいかげんにしろ」
「うへッ」
 黄いろい幽霊が、おそろしく地底戦車のことをよく知っているので、さすがのパイ軍曹も、とうとうかぶとをぬいでしまった。
「わかりました。おっしゃるとおりいくらでもスピードをあげます。しかし幽霊閣下は、この戦車を、一体
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