がせいせいした。
「そうか、無断でそういうことをやったことに対しては、いずれあとで処罰する」
と、パイ軍曹は、そり身になって、
「ところで、おれは、もう一つ、こういうものを持っているんだ」
と、かくしていた林檎を、ピートの眼の前に、ぬっとだした。
「やッ! まだ、あったのですか」
ピートは、おどろきのこえをあげた。そして、彼は林檎の方へ、手をのばした。軍曹は、すばやく林檎をひっこめると、その手を、いやというほど殴《なぐ》りとばした。
意外な声
「軍曹どのは、その林檎を、ひとりで、召しあがるつもりなんでしょう」
「そうだ。さっきの林檎は、お前がくってしまった。こんどは、おれに食べる権利があるのだ」
「半分ください」
「いや、やるものか」
そんなことをいっているうちに、パイ軍曹の胃袋が、もう待ちきれなくなってしまった。この、どこからでてきたか、わけのわからない幽霊林檎の素性《すじょう》をしらべることの方が、先にかたづけなければならないことだったが、こうして手にもち、いい匂いをかぎ、うつくしい林檎のはだをみていると、そんなことは、もう、後まわしだ。はやくがぶりと喰いつか
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