るのです」
「わしが、そんなことを知るものか。囚人の番をするのは、貴様ら衛兵の仕事じゃないか」
「ああ、それはひどい。軍曹どのが、囚人を自由にしておきながら……」
「なにを云う。上官に対して無礼者め」
といったかと思うとパイ軍曹は、らんぼうにも、衛兵のあごに、鉄拳《てっけん》をガーンとうちこんだ。衛兵は、悲鳴をあげて、その場にたおれてしまった。
そのころ、氷上ではリント少将の姿をもとめ、ますますさわぎが大きくなった。
「どこにも、おられないじゃないか」
「ふしぎなこともあるものだな」
「おや、もう一つ紛失したものがあるぞ。ここにあった」
「何がなくなった?」
「地底戦車が、どこかへいってしまった」
「地底戦車? そんなばかなことが……」といいながらそこを見ると、なるほど地底戦車がない。
「一体、これはどうしたんだ」
「うむ、これは、容易ならぬ事件だ」
三つの紛失《ふんしつ》事件
リント少将が行方不明となる。
囚人の沖島速夫が、いつの間にかどこかへにげだしてしまった。
そこへもってきて、氷上においてあった地底戦車が、紛失してしまった。
三つの紛失事件が、同時に起
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