って、アメリカ基地は、上を下への大さわぎであった。
 リント少将は、どこへいったのであろうか。それから沖島速夫は、どこへかくれているのであろうか。それから地底戦車はどうしたのか。
 地底戦車は地上のさわぎをよそにして、このとき、氷の下ふかくしずかに巨体をよこたえていたのであった。地底戦車の中で、向いあって座っている二人の人物があった。
「……少将閣下。乗り心地は、いかがですな」
 そういっているのは、外ならぬ沖島速夫であった。三つの紛失物――リント少将に沖島に地底戦車の三つは、みんな一つところにかたまっていたのだ。
 少将は、にが虫をかみつぶしたような顔をしている。
「……君が余に要求するものは何か。なにが、ほしいのか。早く、それをいえ」
「少将閣下、お考えちがいをなさらないように。私は閣下からなにを、ちょうだいしようとも思わないのです。ただ、地底戦車の乗り心地をうかがっているだけです」
 沖島速夫は、えらいことを、やってのけた。日本機の襲来さわぎがはじまると、彼はわれにかえった。さわぎのため、監房の入口はあいたままで、番をしているものはない。今だと思った彼は、氷上へとびだしたのだ。そ
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