下からむくむくともりあがってくるように思った。エンジンの音が、急におちて、機はさっと氷原に下りて、小さく跳《は》ねた。
二機|撃墜《げきつい》
「三機帰還せず!」
基地へかえってきたのは、たった二機だけであった。
飛行隊長は、司令の前に、面目《めんぼく》なさそうに、あたまを下げた。
「三機の消息について、知るところをのべよ」
司令はふきげんである。
パイ軍曹は、ピート一等兵の横腹《よこっぱら》をついた。ピート一等兵は、目を白黒した。例のことが、ばれては、たいへんだ。
「はい。壮烈なる空中戦の結果、墜落したようであります。われわれも、戦闘中でありましたため、はっきり、その先途《せんど》を見届けることが、できませんでした」
隊長は、うまいことをいった。ピート一等兵は、やれやれと胸をなぜおろした。
司令は、これをきいて、うなずき、
「おお、そうか。そして、戦闘の結果は、どうであったか。撃墜数を報告せんではないか。撃墜状況はどうか」
「はい。撃墜は、ありません」
「なんだ、撃墜はないというのか。これだけの犠牲《ぎせい》をはらって、撃墜は一機もなしというのか。お前たちは
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